鏡花日記

徒然なるままに書きます

NiziUの『Make you happy』 におけるHip-Hop的手法を考察してみた!!

アイドル戦国期と言われた2010年代が終わりを告げ、時代は2020年代へと突入した昨今において、本デビュー前の新人というのに天下のAKBを差し置き紅白に出場を決めたアイドルグループが生まれた。それがNiziUだ!!!

 

韓国民なら老若男女誰でも踊れる?『Tell me』でお馴染みの国民的アイドルWonder Girlsや、日本でも『T T』で大ブレイクしたTWICEなどを世に送り出した韓国大手芸能事務所であるJYPの創始者であるパクジニョンこと餅ゴリ自らがオーディション&プロデュースを手掛け、韓流仕込みの日本人メンバーによるガールズグル―プである。

 

朝の情報番組『スッキリ』でも毎週のようにデビューメンバーの座を勝ち取るためのミッションを様子が放送され、切磋琢磨しお互いを高めあう姿に日本中が感動した。

 

そんな待望のNiziUプレデビュー曲がこちらの『Make you happy』!!!

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街やメディアのいたるところで流れているから皆さんお馴染みだろう。

『いやいや、、もう、、散々聞いたよ』、、そんな声が上がることはわかっている(笑)

 

だが今一度、よ~~く注意して曲を聴いていただきたい。

曲が始まってから最初のところ、『ワタシタチ...ニジ!!!』っと言ってるように聴こえないだろうか!!!???。。。。もしも私だけならばこの件はここで終了とさせていただく(笑)

 

いやいや、0:04~あたりから聴こえる!! !

これは通常のボーカルを早回し(再生速度を上げる)ことでキンキンした超高音にする手法である。多少強引だが、みんななにかしら聴こえたていで話を進めさせてもらう(笑)

 

手法1.早回しよる超高音ボーカル

 米大統領選にも出馬したラッパーのカニエウェストが一世を風靡した手法で、サンプリングしたボーカルを早回しする事で"超"高音にしビートを構成する。今やヒップホップを超えて色んなジャンルに多大な影響を与えた。その中でも特に『Through The Wire』秀逸では時代を超えたクラシック(Hip-Hopでは名曲と言う意味)である。 

 

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カニエウェストの『Through The Wire

 

 この『Through The "Wire"』の超高音ボーカルの加工元であるオリジナルはChaka Khanの『Through the "Fire"』 であり、カニエが自動車事故で顎にワイヤーを入れた状態のままレコーディングしたことを"Wire"と"Fire"でかけた洒落である。加工前と後で聴き比べてみるとビートメイクの妙味が楽しめる。

 

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 サンプリング元のChaka Khanの『Through the Fire』(1:13~のサビが使われた箇所)

 

 

話をNiziUのMeke you happyに戻そう。

 

 

手法2.トラップミュージック

お手数だが再度、以下のMake you happyを聴いていただきたい(1:19からスタート)

 

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 1:18~のマユカパートでは"チチチチッ"と高速で連続するハイハットに、"ブーン"という独特な重低音のベースを特徴とする『トラップ』という中毒性の高いビートになっている。近年、Hip-HopはRockを抜いて世界で最も売れている音楽ジャンルであり、それに貢献したのが現在の主流である『トラップ』である。

 

 

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トラップミュージック人気の火付け役となった曲 Migos-Bad and Boujee ft Lil Uzi Vert

 

 

手法3.サンプリング(歌詞の引用)

お手数だが再再度、、もうほんとこれラスト!!(笑)以下のMake you happyを聴いていただきたい!!

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 Hip-Hopの醍醐味といえばやはりサンプリングにあるが、それは音だけにとどまらず、歌詞についてもいえる。ラップパートが始まる 2:30~では、所属するJYPの先輩グループの曲名そして歌詞を引用している(Tell me, Like OOH-AHH,FANCY....)。

 

 まとめ

いかがだっただろうか。餅ゴリは自身の音楽的ルーツであるブラックミュージックを根幹に、『Tell me』や『TT』などキャッチーなフレーズと思わず真似したくなる振付による中毒性あるダンスミュージックをプロデュースし数多くの国民的ヒット曲を生み出してきた。特に今作はHip-Hop的手法が随所に光る秀逸な曲となっている。ちなみに私は箱推しである(笑)

 

余談だがKpopあるあるの1つ、、、そう、、どのアイドルグループにもラッパーが必ずいるwww  というのも、KpopはHip-Hopを根幹に発展して来た所以である。

 

鬼の目にも刃

今週のお題「鬼」

 

『鬼は外!!福は内!!!!』

威勢のいい掛け声とともに豆をまくことで厄払いや無病息災を祈る伝統行事であり、はたまた全国の親御さんや先生が鬼となって無邪気な子どもたちから一方的に豆を投げつけられるワンサイドゲーム、それが節分だ!! はたしてどちらが鬼なのか、、正直分からない時がある。笑

 

さて『鬼』といえば、やはり大ヒット中の『鬼滅の刃』を真っ先に想像したという方多いはず。鬼に変えられた妹を人間に戻すため、運命と鬼に翻弄された主人公である竈門炭治郎がその術を求めてあてどなく戦いに身を投じる...というのがあらすじだ、、、え?煉獄さんがカッコよかった?? あの、その、えっと、、恥ずかしながら私は映画はおろか原作すら読んでいないのでちょっとご勘弁........おっと、それ以上はキメハラですよ笑

 

中国では『鬼』= 虎柄パンツを履いて金棒を振りかざすカラフルな化け物ではなく、化けは化けでも、幽霊を意味するらしい。新型コロナが流行して早一年、喜怒哀楽の違いはあれど、たくさんの人々が色んな意味で鬼となった。さようなら、ありがとう、声の限り、悲しみよりもっと大事なこと.....主人公の炭治郎は鬼となった妹の禰豆子を除き、家族をみな失った。計り知れない苦しみを振り切り、運命を切り開こうと可能性に命を賭して必死に前に進み続ける。そんなひたむきな姿がコロナ禍を生きる人々の心に響いている。光に対する闇、歓喜に対する悲哀、生に対する死、相対するものがあるからこそ光り輝く。心に『炎』を灯して。